粗脂肪
脂質とは、広義には水に溶けず有機溶剤に溶ける成分の総称です。食品学では、エネルギー源や身体構成成分の材料として利用される「脂肪」のことを指す場合もあります。食品中の脂肪の量を正確に測るには、これを脂肪酸とグリセロールに分解し、主要成分である脂肪酸の種類ごとに含有量を測定しなくてはなりません。これには手間がかかるので、より簡便な方法として食品から脂質を溶出させて測定する方法が普及しています。このようにして測定したものを「粗脂肪」と呼びます。ただしその際は脂肪だけでなく、植物性ステロールやワックスといった脂質も溶出するので、純粋な脂肪の量とは若干の誤差があります。